久保寺教授基調講演詳細
○工業利用
 年間7.3兆円の利用があり、その中の大半は半導体の加工に利用されています。また、工業部品の絶縁性や耐熱性といった材料特性をよくする加工や放射線滅菌にも利用されています。

○農業利用
 アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアでは出荷国で生産物を放射線照射して、O-157等の滅菌をしています。東南アジア等から出荷されるスパイスについても同様で、出荷国で寄生虫やその卵やウィルスを放射線照射で滅菌しています。日本では馬鈴薯にしか食品照射は認められていませんが、世界の各国では食品の付加価値や保存性を高めるためや衛生的な観点から、食品照射が行われています(日本には未照射の食品が輸入され、国内でガス滅菌されています)。このほかにも、沖縄のウリニバエの根絶、稲の品種改良でも利用されています。

○医療利用
 最も多く利用されているのがこの医療分野です。日本では現在4箇所の施設で粒子線(※事務局注:放射線の1種)によるガン治療が行われています。粒子線はガンの深さにあわせて照射できるので、効率よく、ガン以外の部分の損傷が少ない治療をすることができます。そしてCT(コンピューティド・トモグラフィー)があります。これは輪切りの切断面状で身体の中を詳細に見ることができ、病気を正しく診断するのに優れています。

我が国の放射線を利用した産業の経済規模
「利用分野ごとの経済規模」(1997年度)
出典:原子力委員会 長期計画策定会議第5分科会報告書「国民生活に貢献する放射線利用」




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